あったか相談村とは
仕事や家を失った路上生活者や生活困窮者を支援する活動です。月1回、ボランティアで炊き出しをしています。
- 村の所在地
- 富山市駅北のボルファートとやま周辺。ハローワークの斜め向かいあたり
- 村人
- 家や仕事を失った人、経済的に困っている人、ボランティア
- 恒例行事
- 炊き出し、おしゃべり、生活相談
一目でわかる村の様子
その村は、月に1度だけ訪れることができる幻の村。護国神社の蚤の市のように、毎月一日だけその場所にテントが建ち椅子や机を並べて「あったか相談村」の看板を掲げます。
朝9時すぎ、ボランティアの村人が集まってきます。
外では、男の人たちが給仕用と食事用のテントを設営し、机と椅子を並べていきます。開店前から来て手伝う常連の村人の姿も。
ボルファートの一室では、鍋に入れる野菜の下ごしらえが始まります。それが終わると、大きな炊飯器二つ分のご飯をおにぎりにします。主婦パワー、調理師経験、野外活動エキスパートなどの英知が結集して見事な手際。腕が痛くなるほどおにぎりを握り終わる頃、外で火にかけていた大鍋もいい頃合いに。
最近、炊き出し常連利用客のなかに、野菜を切ったりおにぎりをにぎったり調理に参加するおじさんが出てきました。ボランティアと世間話しながら楽しそうです。無料相談会のために来てくれた司法書士や薬物依存症更生中のグループメンバーなどもみんな一緒ににぎるおにぎりは味わい深いです。
11時半頃、炊き出しを利用する村人が集まり始めます。とろろ昆布や海苔のおにぎり、あったかい豚汁をひとりひとり手渡していきます。「生姜やねぎものせましょうか」と言葉を交わしながら。ゆで卵やふかし芋があったりボランティア手作りの漬物があったり、サイドメニューもその時々のお楽しみ。
給仕が一段落すると、ボランティアも利用者と一緒に食事しながら世間話をしたり相談事を聞いたりして過ごします。
おなかも心もあったまったらそろそろ撤収。何もかもきれいに片付け、村は幻のように消えます。
村のはじまり
2008年12月、自治労富山県地域公共サービスユニオン福祉支部(一人でも加入できる労働組合)の定例会で、「派遣切り」に伴う「ホームレス化」が話題になりました。労働者の仲間のために「労働相談」と「炊き出し」を実施し、労働組合の社会的責任を果たそう!ということになりました。
偶然にもその年の暮れ、東京の日比谷公園で「年越し派遣村」が開催されました。たまたま東京に滞在していたメンバーが、そのことを知って現地に出かけ参考になることを見聞きすることができました。
2009年1月、「ホームレス支援の現状を聞く!」と題した勉強会を企画し、ホームレス支援活動の実績がある富山県社会福祉士会の根津さんからお話を伺いました。そして、勉強会に参加した市民や労組関係者に声をかけ、「実行委員会」結成を呼びかけました。
1月28日、第1回「あったか相談村」を開催し、「炊き出し」「労働相談」「生活相談」「健康相談」を実施しました。
現在の実行委員会は主婦など市民ボランティアが中心で、自分たちのできる範囲の支援に絞って、炊き出しを続けています。
村人のこと
炊き出しを利用しに訪れる村人の大半は中高年のおじさんですが、最近は若者や女性の姿もみられます。みんながみんないわゆるホームレス状態というわけではなく、生活保護を申請してアパート暮らしをしている人もいますが、仕事探しや自炊などで苦労しているようです。ボランティアの半数は主婦ですが、なかには自らも失業・求職中という村人もいます。ときには専門学校の学生もやってきます。おもに力仕事を担当してくれるのは「富山ダルク」の男衆です。
※「富山ダルク」については次項Thanks! 助っ人さんで紹介します。
Thanks! 助っ人さん
あったか相談村は、たくさんの人たちによって支えられています。
富山ダルク
会場設営を担当していただいています。(テント・机の設営、野外調理など)
《団体の活動内容》共同生活をしながら薬物依存症を断ち切るプログラムを受ける民間のリハビリ施設。全国に約50カ所あるうちのひとつ。薬物依存症更生活動、啓発活動、ボランティア活動など。詳しくは「富山ダルク」HPへ。
フードバンクとやま
余剰食品の無償提供をしていただいています。(お米、缶詰、お菓子など)
《団体の活動内容》食品メーカーや農家から包装不備などで市場に流通できなくなった食品を無償で受け入れ、福祉施設や生活困窮者に分配。啓発活動としてチャリティライブも開催。詳しくは「フードバンクとやま」HPへ。
ほかにも、精肉店や八百屋さんが食材を提供してくださったり、新聞記事を見てお米などを使ってほしいと連絡くださる個人の方がいらっしゃいます。足元の悪い冬場にはゴム長靴の寄付があり、おじさんたちはとても喜んでいました。ありがとうございます。